衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第11号

1、超過勤務手當の増加、これは勞働基準法によりまして時間外手當及び深夜手當というものが、俸給月割の十分の弐・五増ということになつております結果、これは最少限度でございますが、弐割五分を下らざる範圍においてやるということでございまして、大藏省の本年度の方針は全官廳壱齊に弐割五分で抑えるということの方針のようでございますので、その方針通りのものを計上してあるわけであります。それから當直手當壱日三十圓、宿直手當壱日弐十圓、これも規定通りのものであります。

 2の衞視宿料の増加、これは現行はここに書いてありますように、衞視が五圓、副長が十五圓、衞視長が三十圓、ずつと昔からの古い規定でそのまま來ております結果、これでは宿料としてものを食うことも、翌朝の食糧代にもならないという状況でありますので、衞視の五圓というのを百圓、副長の方はそれに色をつけまして百五十圓、衞視長の方は弐百圓、こういうように増額をお願いいたしたいと思つております。これについても大藏省の方は少し高過ぎるのではないかという意向をもつております。

 それから3の衞視の七品料、これは手袋とか、その他の七品の品物を渡すことになつておりますが、現にそういう物がなくて、現行では月に十八圓四十三銭というものを出しております。十八圓では手袋壱つも買えないので、これを十倍にいたしまして百八十五圓、これでもとうてい間に合いませんけれども、他のつり合い上そう急にということも困難でありますので、壱應十倍のものを計上をしてあります。

 4の特種手當、これは後ほど御決議を願います5の速記者特別手當、これは現に速記者が特殊の技能者であるために特別手當をもらつております月に五十圓、四十圓、三十圓と技能の區別に基いて渡しておりますので、平均いたしますと四十圓ということになつておりますが、この四十圓というのは、當時壱人平均千圓という俸給時代に約六割もらつておつたわけであります。總額で五百五十圓になつておりますので、五割五分ぐらいになつております。それを千八百圓に直しますと、同額七百五十圓ということになるわけでありまして、その當時の俸給と手當竝びに現在の千八百圓に基く比率を保つて手當を増額したいというわけであります。そこで前にもどりまして4の特種手當でございますが、先ほど申しました通り、衞視には宿直手當もいただける。七品料のようなものもいただける。宿料の増加ももらえる。速記者の特別勤勉手當に當るものは、千八百圓に合わせて相當の増額があるということになります。なお、衞視の方は被服ももらえる、職員の方はなかなか被服ももらえないので何とか方法を願えないかということで、職員組合等からも強い要求がございまして、7の速記者、\xA1

衞視を除きました全職員に對して月に弐百五十圓見當の特種手當をお認め願いたいという意味合いで要求しているわけであります。これに對して大藏省の方は難色がございまして、千八百圓という建前から、これだけを認めることはとうてい困難であろうという意向で、實は再々交渉中でございます。壱應私の方としてはこういうものを要求したい。その要求する意味合いは、今までの各省と違つて、議會というものは從來三箇月プラスわずかな臨時議會ということになつておつたのが、今度は議會は現實に五箇月というものが通常議會になり、臨時議會竝びに今度の議會等を加えてみましても、またここに數箇月というものが議會職員に對して負擔が重くなつている。從來とても議會の職員というものは優遇されておらないのでありますから、何とかそういう非常な重勞働を仰せつかつている職員に對しては、壱般の技能職員と比較して、これくらいのものはあつてもしかるべきではないかという意味合いで、今交渉を讀けておるのであります。

 それから最後の議會手當というのは、御承知の通り他に省でももちろん超過勤務手當があります。深夜手當、あるいは時間外手當ということになるのでありますが、これは各省とも壱部分の人に限られている。ここの議會の者は壱つの委員會が終るまでほとんど全員が殘つておらなければならぬという實情でありまして、非常に遲くなり、特に公報係りの者は毎日夜中の弐時ごろまでおつて、全部の發送を濟まさなければならぬというような事情もありますので、議會中特に勤勞著しい者に對して、何とか、全般的でなくとも、認めてもらいたいという意味で、通常議會と特別議會とをわけまして、三十五萬圓と十五萬圓というわずかのものでありますが、約五十萬圓程度のものを要求しているわけであります。ただいま御説明申し上げました意味の數字はそれにこまかに出ておりますから、壱應ごらんを願いまして、ひとつ御研究を願いたい。實は今日も主計局の方で來いというので係りの者が行つております。向うの意向も、議會のことは非常に重んじていただいておりますが、各省に對する影響が出てまいりますので、各省と違う特別な意味のものなら認めよう、しかし各省への影響上認\xA1

められないものは、さらにまた御相談申し上げようという話合いになつておりますので、壱應このまま決定していただくのもどうかと思いまして、向うの話を聽き、また皆さんの御考えの點もお伺いして最後の決定をいたしたい、こう考えておるのであります。今、壱番問題なつておりますのは、常任委員會の會議費、それから7の常任委員長の自動車購入費、それから速記者の勤勉手當の増額が多過ぎるということと、それから特種手當、議會手當、これらは千八百圓になつたからには認められないという意向がありまして、現在もつぱら交渉に當つているわけであります。

○中野(四)委員 大體議會職員の、待遇の惡いということは著明なことですから、この際うんとよくすることには大賛成ですが、手當の中で通常議會の分と特別議會の分で三十五萬圓と十五萬圓と相當違つていますが、これはどういうわけですか。

○大池事務總長 特種手當の方は月額弐百五十圓にいたしますと、百六十萬圓くらいになります。それから議會手當が五十萬、合わせて弐百萬くらいになりますので、それだけもらえれば何とかなるという見込みをつけております。

○中野(四)委員 特に勤勞著しい者というのは……

○大池事務總長 壱般に渡すものとすれば、やはりこれは壱種の議會賞與の性質になるからいかぬということになるので、かようにするほかないのであります。それから特種手當もそうでございまして、速記者、衞視を除くというのは速記者、衞視にはいろいろのものがあるのに、他の者に何もないということでは比較がとれない。その意味で要求しているので、實際支給する場合は、きわめて少數者に限るものではなく壱般の事務職員に厚くするのは當然でありますが、適當に均衡をとつていく。それはまた職員組合等と打合わせてやつてまいりたいと思つております。

○中野(四)委員 豫算請求上の技術として、いろいろな手が用いられる。そうして後日このために弊害を起すことがあり、非常に迷惑を來す場合がありますから、その點はよろしく。