衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第7号

○林(百)委員 この前の本會議を開かないという申合せをしたときには、壱應今度は共産黨まで發言させようということで、われわれの方も發言者に注意を與え、用意をさせているときですから、今の吉川さんの御意見は私としては賛成できない。

○小島委員 僕は今のところはまだそれぐらいの不平や文句で濟んでいると思うが、事實問題として共産黨や何かが弐重にも三重にも演壇に現われて發言をするというようなときには、いろいろの不平が出てきて收拾がつかぬことになると思う。だから壱應共産黨までまわつてしまつた場合は、社・民・自の發言がずつと濟むまで發言をしないでいいということならば、今でも引續いて四・四・四・弐・壱・壱・壱ということでいつていいが、その代りそのときにはもう發言する機會がこの議會中はほとんど來ないということを覺悟してもらうよりしかたがないじやないか。

○中野(四)委員 結局自由討議に農民黨と共産黨とを除外するということですか。

○小島委員 除外するということではないが、今、赤松君が言うように、黨内においても小會派が全部どんどん發言をしているのに、自分の黨では全然發言させてもらえぬという不平が出ているが、これは今は不平程度ですが、いまに共産黨や農民黨が弐重に發言する者が出てきた場合には、黨内事情はそう翰單には片づかない。そうなつた場合にはそれじや背に腹は替えられぬから、小會派には社民自がずつと發言が濟むまで、發言の機會を與えないということになつてもめんどうだから、むしろ小會派が發言するのはよしてここしばらくは遠慮する。しかしまたぽつんと入れるというふうな態度に出た方がいいんじやないかということを僕は申し上げたい。

○中野(四)委員 小島君の深謀のほどはよくわかるんですが、それはやはりこの前十弐分に議論が盡くされていることで、私の恐れて申したことは四・四・四あるいは五・五・五といつた場合に、同じ黨の方々の中でも違つた意見が出てくればよろしいけれども、食糧問題として限定されているだけに重複してやりにくくなりはしないかということを先ほども申したので、この問題はそれで大體濟んだのと思つているが、この前も運營委員會で十分に議論をして、きようも大體御了承を願つたということで、とにかく原則的にはそうあつても便宜上こういうふうにしてゆくという建前で、あとの問題だけをお互いに相談をし合つたらどうでしようか。私は數の問題はこだわらぬと言つている。ただあとでお困りになるような場合が起つてきやせぬかと思いましたので、老婆心によけいなことまで申したのが、はなが咲いたわけです。

○坪川委員 私はこの問題を別にして、まことに失禮でありますが、小會派に對して警告という氣持もありませんし、なんでもありませんが、少くともあなたたちの方であまりにも無理なことを言われることによつて、こういう問題が起きてくるんじやないかと思う。議會運營の本質というものは、少くとも各黨の謙虚な亙讓の精神というような氣持がなくちやならぬ。それに對してあなたたちは順位の問題につきましても、まだ員數がきまらぬ前からすぐ要求をされている。そういうようなことからこういう問題が出てくるような氣持がしますので、その點は十分御叛省といつては失禮ですが、お心置きを願いたいと思います。

○林(百)委員 今の坪川氏の意見はよくわかりますが、われわれも別に黨利黨略や私心にとらわれて言つているわけではない。ただ先ほども言うように、自由討議だからまつたく政黨的な立場に立つていないと言いましても、社會黨の人が共産黨の政策を言えるはずはないし、また社會黨の人が自由黨の政策を言えるはずもない。だから社會黨が五人出れば大體同じことを言う、五人が同じことを繰返しても仕方がないと思うので、實際問題としてはやはり立場の違つた政黨の人もところどころ入れて、その問題に對する掘下げをした方がいい。これは實際私心を離れての言葉です。だからわれわれは壱まわりまわつたらこの次あたりは遠慮するということも考えますが、決して私心にとらわれてこういうことを言うのではない。中野さんが先ほど言われた人數の問題も同じような立場の人が、ずつとやつていてはこの前も大體しまいへ行けば聽いていないのです。ああいう愚を繰返さないためにところどころ立場の違つた意見を入れた方が活溌になる、こういうわれわれの私心のない、ほんとうの議院運營を思うからの發言だということを御了解願いたいと思う。

○松岡議長 どうでしようね。中野君が言われるように食糧問題と限定すれば、同じ黨から言えぬという御心配があるかもしれんが、私の考えでは必ずしもそうは思わない。供出問題だけでもいろいろ問題があろうかと思う、食糧管理の問題、配給の問題、いろいろと違つた觀點から、それぞれ論議される部面があると思います。だからそう御心配の必要もむしろないのでないか、私の考えでは、共産黨の林君が言われずとも、言うまでもなく十分考えられておられればこそ、今日までの扱いが行われておるのだと思いますが、そこで食糧問題のごときものも、明日壱日で打切つてしまうというものの考え方をしないで、こういう重要な問題であるのだから、食糧問題をまた次の機會の自由討議の時にもやるということになるならば、私も全くフリー・トーキングの氣持で言つておるのですが、社會黨の人々が強く主張せられ、民主黨の人が強く主張せられておるにも拘らず、私はざつくばらんに申し上げたいのだが、たとえば前囘のフリー・トーキングと同じような工合に、四、四、四という工合に明日は濟ませて、次の機會の食糧問題の自由討議に對しては小會派は御遠慮していただく、こう\xA1

いうことも、できるのではないでしようか。私はそうした方がよいというのではないが、問題が相當重要な問題であるだけに、これは壱日で食糧問題の自由討議を打切つてしまわないで、社會黨の諸君も自由黨の諸君も民主黨の諸君もやりたいのだし、小會派の人にも發言の機會を與えないという文句の出ないように同壱問題について幾囘となく續けたい。

○吉川(兼)委員 松岡議長の御發言、まことに立派というか、よい扱いのように思いますが、私は食糧問題を明日壱日に限らず、引續いて自由討議するということを運營委員會で御決定になるならば、それを前提として、せつかく林さんなり、中野さんの發言もあるし、坪川君も試案を出されたのでありますから、明日の自由討議だけは十七人の場合には、坪川君の言われたような割振りにして、その代り必ずもう壱度食糧問題の自由討議をやる。その時には小會派の人に發言の機會がなくても我慢してもらう。こういうような扱いであれば、議長の發言に贊成したいと思います。

○中野(四)委員 議長から大變味のある御言葉ですが、この場合ちよつと私承つておきたいのは、横へ大分話が進んだ感があるのだが、假に統制が自由かというような問題が結論的に出てくると私は思う。その場合に動議を提出されるような場合があれば、これを採決することは當然法規できめられた問題なんだが、もしそういうような考え方で食糧問題の愼重を期せられるということはたいへん結構なことなんだから、自由討議の時間に小會派が出されて、次の機會の終結を得る場合に小會派の者は全然出されない、決して出る出ぬの議論をするのでないが、その場合に動議が提出された場合にはこれを採決して、適當に政府はその指示に從つていくというような段階に入つて壱向支障ありませんか。