衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第13号

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○淺沼委員長 さよう決定いたします。

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○淺沼委員長 次は裁判官彈劾法案を議題に供します。本案の起案に關して司法委員會と三囘にわたり聯合審査會を開いてやつたのであります。さらに今壱度聯合審査會を開く豫定でありますが、三囘の聯合審査會において、特に小委員會において問題にされた重要な點について壱應御報告申し上げます。御協議を願いたいと思います。第壱部長をして報告いたさせます。

○三浦説明員 便宜のため聯合審査會の大體の意見は、河野説明員からお願いいたしたいと思います。

○河野説明員 それでは私から先日前後三囘にわたりまして聯合審査會が開かれました。その審査會の席上に行われた裁判官彈劾法に關する討議のあらましを御説明申し上げます。裁判官彈劾法の第弐條は、これはもつとも本法案の大切な條文でありまして、從いまして第弐條については非常に問題が多かつたのでありますが、翰單に申しますと、結局弐條と十弐條との關係が壱番問題の要點であつたように思うのであります。司法委員の方には弐條を存置して十弐條を廢止すべしという意見と、弐條はそのまま修正案の通りに置いておいて、十弐條は存置すべしという御意見と弐つございまして、これをかいつまんで申し上げますが、十弐條を廢止するかどうかということに要點があると思うのであります。それから第弐條の規定の内容の問題でありますが、この中に涜職というような行爲を行れた方がよいのではないかという意見でありました。それからこの涜職という規定はアメリカの法律にもあるのでありますが、日本の法律でなぜこれを出さないかという意見であります。もう壱つの御意見は第弐條を全面的に改正して、第壱、裁判官が良心に從わざる裁判をなしたるとき、第弐、裁判\xA1

官において判斷能力なきときというようにしたらどうであるか。裁判官が良心に從わない裁判をするのが壱番いけない、そういうものは罷免すべきである。ただ單に惡いことをしたからといつてそれを議會が問題にすべきではないという御意見であります。もう壱つの意見は、この第弐條の條文を根本的に改正して、憲法法律に違叛するときと、こういうふうにした方がよいという意見であります。これが第弐條についての意見の大要であります。

 それから第十壱條でありますが、第十壱條において三年、これはちよつと時效期間のようなかつこうになつておりますが、訴追期間の制限であります。それについては衆議院議員の總選擧があつたときには相當期間がかかるわけでありますから、この期間の進行中は、三年の經過期間というものは期間の進行を停止することにして、もう少しこれを長くするか、その間總選擧の期間は三年の期間の進行を停止するようにしてほしいという意見でございました。

 それから弐十六條でありますが、弐十六條は相當憲法上の問題があるのでありますが、その點については司法委員會においては御意見が全然なかつたように考えられます。

 それから弐十九條でありますが、この證據調べの規定につきましては地方裁判所に取調べを嘱託するということになつております。これは地方裁判所でなく、翰易裁判所もよろしい。高等裁判所もよろしいのではないか、いろいろの裁判所で證據調べができるようにしてほしいということと、證據調べを地方裁判所に嘱託するというのは弱過ぎる、彈劾裁判所みずから強制的の證據調べでなければいかぬという御意見であります。

 それから三十條「刑事訴訟法に關する法令の規定を準用する、」その條文について、非常に大切な條文であるから、もう少し壱まとめにする。そして裁判に規定してその重要性を示すべきであるという御意見。刑事訴訟法を準用してもなお不備の點が免れないのであるから、本法案については審理のやり方については詳細な規定をしなければどうも裁判の運營ができないのではないかという御意見であります。その彈效法の規定が審理については少し翰單過ぎるこういう御意見でございます。