衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第10号

○小澤(佐)委員 法制部の問題は人がいないのでできないと聽いておつたのですが、豫算がないのですか。

○大池事務總長 豫算はあります。適當な人が見當らないのです。

○小島委員 待遇の關係で人が見つからぬのですか。

○大池事務總長 現實に人がないのです。專門的の知識を要しますので……八人ぐらい取り得る豫算があります。今豫算的措置として、かりに十人、弐十人の豫算をとつても、現實には人がない。御承知の通り内閣の法制局でも七、八名ぐらいでやつております。今法制部としては參事を四名、副參事を四名、それに配するには主事等はいくらでも事務局の豫算の中で、人さえあれば取り得る條件は整つております。各省に渡りをつけておりますが、人がないのです。

○淺沼委員長 この問題は非常に大きな問題ですから、當然議長が當委員會に諮問されることであろうと思われる。豫算のことにも關聯してきようと思うので、それの審議も近々にお願いしなければならぬと思います。それも含めて、さらにあらためて法制部の擴充強化について相談することにして、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○淺沼委員長 そういうことにいたします。

○後藤委員 私はまだ各議員が議員壱個の發案權を活用する點について未習熟だと思う。しかしこれは習熟するに從つて活溌に行われると思います。そこで七、八名ぐらいの法制部の人的機構では、四百六十六名の人が活溌に法案提出の活動をしたらむりだと思う。制法部の機構を大きくしたらどうですか。

○大池事務總長 それは私どもの方としては、法制部の問題は、單に數名だけの法制部でやるので、これは技術者だけではだめなのでありまして、その前提となるいろいろの資料その他の問題、それから議員さんの要求事項に應ずるものこういうものを法制部だけでやらすことは、とうていできないのでありますから、これは國會圖書館というものが當然そのデフアレンスというものを設けて資料を提供し、その中に場合によれば法制部に當るものを全般的に配置して相談に應ずるという、アメリカ式の制度にしなければならぬということの前提で進んでおるわけです。今御承知の通りの事情で圖書館の場所もないし、いろいろの方面がスタートが遲れておりますから、とりあえず各院に法制部というものを置いている。これは各院でなくて、今度圖書館の中に置かれれば、兩院に合致されることになります。とりあえずの問題としては各院に壱應置くという形でスタートする。そのスタートしたものも今申し上げておるように困難な状態でありますから、できる限りこれは申合せだけでもしなければならぬということで十分努力中であります。

○後藤委員 くどいようでありますが、國會が自主的な立法機關としてどんどん立法をやつていく、その立法によつて政府は行政技術當局になるというようなあり方に逐次推移していく、こういうふうに考えられる。從つて研究機關は國會圖書館に附帶されるとしても、成文技術だけでも私はその程度では貧困であろうと考えます。より構想の大きなものを考えていただきたいと要求します。