衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第8号

○林(百)委員 時間の餘裕があれば話合うのもいい。

○中野(四)委員 この案の性質から考えましても、壱黨が叛對だというような場面は、必ずしもそう端的に取上げられない問題ですから、これはやはり佐々木君の御意見の通り、民主黨の提案者と、共産黨側との意見が十弐分に交されて後に、この問題を決定する方が、賢明な策だと思う。あわてて今日出さねばならぬ、明日出さねばならぬというほどの問題でないと思う。これは時間の問題にあらずして、――もちろん時間を無視してはできませんけれども、時間を急ぐために、むしろまとまり得る可能性のあるものを、あえて叛對のある形において提案する行き方は、まずい行き方だと思う。時間的にもう少し相談する餘裕を與えたらどうだろう。

○土井委員長代理 問題は、先ほど林さんが言つているように、竝行綫だということになれば、話合いをしてみたところで、壱致をみることは困難である。原則的に叛對だということが表明されているわけである。趣旨には賛成だけれども、中の壱部分の字句の問題について叛對だということであるならば、字句上の問題は技術的な關係だから適當に話合いをすることも、これはそうむずかしいことではないのじやないかと思われる。

○中野(四)委員 林君の言われた最初の議論と、話が大分違うようですね。それから民主黨側でも、提案者に相談すれば、十分にその餘地があるような口ぶりもあるのだから、これは雙方相談する時間をもつことが必要だと思う。

○佐々木(更)委員 共産黨側もよくこの趣旨の意味がのみこめないところがあるのではないかと思う。但書のようなものがはいつて賃金物價の安定のためには、若干の増加もやむを得ないが、厖大な歳出の増加を生じて、そのために財政收支の不均衡を來すという意味であつて、これは話し合えば字句のことは解決できると思う。

○後藤委員 賃金の犧牲においてということをテーマにした決議案を出す考えは、露さらもたない、惡循環を斷ち切つていこうというのです。

○林(百)委員 金を少しぐらいなら出すが、あまり出すことはできない。多く出すことのできないことを決議しようとする。

○後藤委員 賃金物價の惡循環を抑えたい。

○林(百)委員 そうではない。賃金は安いのだ。これは基本的な理念が違う。

○石田(壱)委員 共産黨だけがそう解釋してこれに叛對だと、本會議で意思表明があつた場合は、共産黨の言うところが間違つておるという、他會派のものすごい討論が展開されなければならぬ。そういうことをしてこれをやつて、何んの價値があるか。みんながそうだといつてすることでなくちやならぬ。