衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第7号

○坪川委員 今の中野君の御發言に對しましては、私はもつともだと思います。しかしこの間その問題も繰返されたのですが、小會派の方がその順位がどうしてもまとまらぬという状態であつたのであります。中野君缺席であつたのですが。

○中野(四)委員 その點は十分相談がつくと思います。もし御考慮願えば十分つけます。

○吉川(兼)委員 その話も先刻私が申しました例の特別委員會のことと、原則的には同じように考えるべきではないかと思います。もちろん考慮してくれという中野君の御發言ですから、十分に考慮しなければならぬとは私は思います。その意味で中野君の御發言に賛成ですが、しかし今までの自由討論などの發言のやり方を見ておりますと、小會派の人の發言が非常に多いのです。これはちよつと考えますと、大會派の者がいわゆる按分でいきますと、非常に社・民・自・社・民・自が續いて、小會派の發言の機會が少いようにみえますけれども、實際に議員としての言論を議院内において公平に行わしめるという建前からしますと、たとえばわが社會黨をみましても、百四十四人もおりますが、ほとんど發言者がないのです。しかるに小會派になりますと、すでに共産黨のごときはほとんど壱巡しておるのではないかと思うくらいで、しきりに何囘も何囘も發言ができるのです。かりに共産黨と社會黨と比べますと、社會黨の百四十四人に對して共産黨は四人ということになると、共産黨壱人發言するのに對して社會黨は三十五人發言してしかるべきではないかと思うのでありますが、中野\xA1

君の考慮せよということには私どもも同感で、大いに考慮すべきだと思いますけれども、原則としては、やはり議員の發言を公平に認めるということで、考慮の方をいかにも原則か何かのように、少くとも前例のような形にならないように、委員長に十分考慮してやつてもらいたいと思います。

○中野(四)委員 吉川君の發言、御説の通りであります。原則は壱應きまつているのですから、それに從つていかれるという點については私らもまつたく同感ですから、どうか便宜上の考慮という點において、適當な時間に加えていただきたいのです。大體吉川君にしても、坪川君にしても御同感は得ておるようですから、ひとつお取計らいを願いたい。

○小島委員 壱體自由討議の際常に小會派が全部發言するということになつておるのですか。

○淺沼委員長 いや、必ずしもそうではありません。

○林(百)委員 今の吉川君の御意見壱應ごもつともですが、ちよつと形式的にとらわれているのじやないかと思います。結局、發言者の數が多いといつても、それぞれの發言者は基本的には黨の意思を表示するわけですから、その黨の意思がそこに表明されればそれで十分だと思います。ところが多數派というのは、政府に重要なポストを占め、あらゆる委員會に重要なポストを占めて、黨の意思は十分に發表されておる。せめて自由討議の際ぐらいは、小數派に發言の機會を與えたらよいと思う。しかもやはりそれぞれ特殊な性格をもつておるのだから、その特殊な性格を、せめて自由討議の際ぐらい自由に表明させるという氣持をもつていただきたい。もちろんわれわれは原則を曲げるというわけではないが、それくらいの寛容さを多數派にもつてもらいたいと思う。

○吉川(兼)委員 私は今の林君の氣持は十分わかつております。決して頑固な氣持で言つているのではない。實は黨内で大分やつつけられているのです。小會派は必ず發言しているのにわれわれは壱向發言權がない。しかも今のあなたの言う自由討議であればこそなおさら黨員に自由な發言をさせろ、何か黨を代表する代表演説のような場合なら多少讓つてもよいかも知れない、しかしながら自由討議であるがゆえに、黨員それぞれ發表の形式はまつたくフリーにやらしておるのですから、こういうときにこそ百四十四人を公平にやらしてくれないと困るじやないかというようなことを言われる。今のお話の氣持は十分にわかつているのですが、原則は犯さないようにして、いま中野君の言つた考慮してくれというのは、そのときの場合にテーマなり何なりとにらみ合わせて、そのときになつて考慮するという建前でやつてはいかがかと思います。

○森(三)委員 ただいまいろいろ御意見もありましたが、實際去年からの實情を見ますと、去年はわが黨は七十七名だつたのですが、最近に至つても、その七十七名のうち半數の人も發言していない。實際は議會で發言していない人の方が多いとさえ言われている。そうした人々から、小會派の諸君は林君も言われたように、いろいろお立場もあつてやられているわけなんだが、共産黨のごときは壱人の人が五囘も六囘もやつている人もある。われわれは弐囘出てきているが、まだ本會議で發言したことがない。特に婦人議員のごときはまつたく發言したということはない。しかも幹部が非常に獨裁的なやり方だということで叛對する人も現われてきているのです。だから、黨という形からいえば代表しているような形になるかもしれませんが、同じ議員という、壱人のメンバーという形からいけば、われも壱個の議員である、小會派の人も壱個の議員であるという立場からくれば、やはりそうした發言の度數というものも十分に考慮しなければ納まらないものがあるわけなんです。この點も非常に重大問題であると思いますから、あしたの自由討議にはそうした點も御考慮願いたい。今後の自\xA1

由討議に、小會派の方に毎囘發言してもらいたいと思いますけれども、やはり先ほど吉川君の言つた事情なども加味すれば、毎囘自由討議に參加していただけないような場合が起きるのじやないかとも思われます。そうした點も委員長において十分御考慮を願いたい。

○石田(壱)委員 先ほどの林君の仰せになりましたところでは、自由討議は各政黨の政策に基いて代表して自由討議をやるというふうに解釋しておられたようですが、私としては、自由討議というものは、政黨を代表してあそこでやるのではなく、議員壱個人として、文字通りフリー・トーキングをやると考えておるのです。その點では、特にこの際政黨を單位として自由討議をやるのじやない、議員壱人々々の權利において自由討議をやるのだ、そういうふうに私はこの自由討議の性格というものを了解しておきたい。特にその點をひとつお含みを願いたい。